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ラマダンパーティー 昨夕までは枯草色だった山が、今朝は白い。 標高600ｍ程度の草原の朝は気温0℃。 秋だ。 カザクスタンのステップを抜け、ウズベキスタンへ入国。 次の国、トルクメニスタンの祝日と、ウズベキスタンのビザの関係で どうしてもウズベキスタンを駆け抜けなければならなくなった。 急ぐのは嫌いだけれど、今回ばかりは仕方ない。 その日も朝から走りに走り、すでに140kmを走っていた。 前方の車が止まり、中から人が出てきてぼくに手を振るので、止まってみた。 珍しく英語で話しかけられた。 「今日、実家でラマダンのお祭りがあるので、来ないか」 「もちろん！」 なんと、日本語を話す人もいた。 JICAで通訳をしているという。 彼らの車について、家までたどり着く。 大きい。 そして、たくさんの人。 しかし、それらは皆、親戚だと言う。 この家のおばあちゃんには10人の子どもがいて、親戚だけで40人ほどにもなると言う。 子どもは多いほうが立派だとされるこのあたりにおいて、 このおばあちゃんはヒーローだ。 ラマダンはイスラムの行事で、 日が出ている間は、食べ物も水も口にしてはいけない。 ここまではよく知られているとおりだ。 が、日が落ちると、毎日、どこかの家でパーティーがあり、 そこへ呼ばれていくという。 そのパーティーではとてもたくさんの量の食べものが出されるため、 全体での食料の消費は普段よりも多くなると聞く。 近所から人が集まり始めた。 そして、いくつかの部屋に分かれて食事が始まった。 そこでふとしたことに気づく。 呼ばれているのは男の人だけなのだ。 そして、給仕しているのも、この家の男の人だけ。 聞いてみると、女の人はほかの部屋で準備をしていて、 食事の席には現れてはいけないという。 また、女の人は客として呼ばれず、各々の家にいるという。 この辺りは比較的イスラムが緩い地域なので、女の人が外を出歩くのも普通だが、 祭のときは、しきたり通りなのだな、と思った。 イスラムのお祭りなので酒は出ないが、みんな楽しそうで、見ていても楽しかった。 彼らにとってぼくは見慣れない日本人なので、ぼくの一挙手一投足に視線が注がれるが、 そんなことにはもう慣れっこだ。 箸を取り出してそれで食べて見せたり。 9時にはお開きになり、僕はすぐに寝かせてもらった。 7時には暗くなるので、9時は普段なら寝ている時間。 眠くて眠くて仕方がなかったのだ。 翌日、彼らにお礼を言って出発。 ラマダンのパーティーに呼ばれ、ウズベクの家庭と文化に触れることができるという なかなかできない経験をさせてもらえたことに、感謝。 走行距離 9271.38km ウズベキスタン・サマルカンドにて 2007/10/08 |
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