階段の村      diaries

階段の村 カスピ海南西岸ラシュト近郊の村、マースレー。 この村はその独特の構成で有名だ。 すでに黄葉の始まった山の中を谷あいに進むと、突如としてマースレー村が現れる。 標高1000ｍ。 村は山の斜面に密集している。 ただ密集しているというだけでなく、家と家がくっついている。 そのため、家の屋上が道となり広場となる。 上の道沿いにも家があり、その家の屋根も道になっている。 そしてその上の道沿いにも、、、 そうして階段状の村ができる。 下の道と上の道で話をしたり、 屋根の上の広場で編み物をしたり。 道の下は家なので、道や広場には煙突が飛び出していたり、 突如として階段の穴が開いていたりする。 そのようなところでも、少年たちは小さな広場を見つけてサッカーをする。 家の屋根の上が、レストランのテラスになる。 山の斜面は一様ではなく、縦に横に褶曲しているので、 村の中からの景色は様々に変わっておもしろい。 その家々の間には蜘蛛の巣のように階段や道路がめぐらされ、 また村の中でののレベル差により目的地が見え易いので、迷うことはない。 村人もフレンドリーで、いろいろと話しかけてくれる。 秋の陽光の下で散歩し、村の人と話をし、気づけば4時間。 山の中なので、もうすでに山の陰に陽が隠れている。 もうすこし居たい、と思いながらも村を後にした。 走行距離　11801.90km              イラン・アルダビールにて     2007/12/1