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2010-01-19 Tuesday

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「旅行をして一番変わったことは？」
たまに聞かれる質問だ。

多くの場合は、「ないよ」と答える。
なぜなら、ぼくの日常生活は、旅行の前後で目立って変化していないと思うからだ。
海外で日本語を操る人には付いていかないほうがよいとか、
話しかけてきた人がホモかどうかすぐわかるとか、
うにょうにょのアラビア文字が半分くらい読めるようになったとか（もう忘れたけど）、
遊牧民の食事はおいしくないとか、、、
旅行をする上でわかったことはもちろんある。
でも、聞かれているのはもっと即物的なことだろう。
だから答えは「ないよ」、だ。


でも実は、もっと深いところで、変わったことがある。
それは、人を信じることができるようになったこと。
性善説とでも言うのだろうか。
「根から悪い人なんていない」、そう思えるようになったこと。
これが一番の変化だ。

旅行中、本当に多くの人がぼくに対して本当に優しく接してくれた。
なぜ彼ら、通りすがりのぼくに対して、あんなに親切にしてくれたんだろう？
考えても考えても、思い当たる答えは一つだけだった。
「人間はもともと、みんないい人なんだ」

もちろん、外国人のよく訪れる観光地では、金目当てでぼくに寄ってくる人もいた。
でも、それはその人が生まれつき悪い人だからではない。
ぼくたち観光客がいるから、そんなことを覚えてしまったのだ。
状況が彼らを変えてしまった。
でも彼らだって、身近な人には親切に違いない。
実際、ぼくに対しても、ぼくからお金を巻き上げるのは無理だとわかったら、
突然、いい友人になった人も何人もいる。
人間の表層であるアタマは悪人でも、
みんな、アタマの奥にあるココロはいい人なのだ。
本当にそう思っている。

でも、日常の中で、このことを心の中に留めておくのは本当に難しい。
もしそれができたら、とても穏やかな気持ちで日々を送ることができるのだろう。