翌日(8月23日)、ついに自転車ツーリングを開始だ。
目的地はスカルドゥ。
距離は100kmほど。
朝のうす暗いうちに出発。
静かな世界だった。
日が上り、今日も一日が始まる。
快晴。
底抜けに空は青い。
空を見上げているのではなく、空に頭を突っ込んでいるような空の大きさ。
空が近い。
そして周りに広がる絶景。
木の生えない裸の岩山が所狭しとそびえる。
インダスは滔々と流れる。
所々、河沿いにオアシスのように木々が生えているところが村だ。
道は崩れているところもたくさんあるが、舗装されている。
気温もちょうどよく、半袖で暑くも寒くもない。
非常に快調だ。
しばらく走ると村もなく、車も1時間に3、4台のすれ違うだけになった。
ぼくが挨拶すると、挨拶してくれる。
景色の構成要素は少ない。
空、岩山、インダス。
しかしそれらは力強い。
圧倒的なスケールでぼくを取り囲み、包み込む。
大きな世界にぼく一人だけがいるような気がした。
本当に来てよかったと思った。
天国か、ここは。
時間はたっぷりあるので、昼寝をしたりしながらのんびり進んで、
4時くらいにスカルドゥに到着。
「また来たよ」
そう言って一昨日も泊まった宿に飛び込んだ。
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