Karakoram Highway      traces     


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その後、ぼくは
むちゃくちゃボロい招待所で1泊し、
チェックポストの人民軍兵士が偉そうでむかつき、
強い向かい風にイライラしながらも、
9月5日13時、カラコルム・ハイウェイの終着点、カシュガルに到着した。
まだ旅行は続くが、自転車での旅行はここで終わりだ。
カシュガルはかなり都会。
旅行者の多い色満賓館にチェックインして荷物を置き、
近くの店でビールを買い、ひとりでお祝い。
なんでビールが11度もあるんだ。
500ml飲んだから、けっこうほろ酔い。
ふわふわ。

その足で町をふらふらしていたら、誰かに声を掛けられた。
振り向くと、あー!!
カリマバードで一緒だった、日本人のCさんとMさん!
カシュガルで会えたらいいねと言ってはいたが、本当に会えるとは!!
初対面だが、Yくんもいた。
彼もパキスタンから来たらしい。
4人でいっしょにバザールや旧市街をふらふら。
バザールは活気があり、香辛料、なんとか族の帽子、肉、電器製品、乾燥トカゲ、
いろいろ売っている。
もちろん、わけわからないものも。
旧市街は生活臭がするようで、良かった。
Yくんから聞いて知ったのだが、ぼくがパキスタンにいた頃に
パキスタンでは政府が反政府組織の誰かを暗殺して
ストライキが起きたりしているという。
そのせいでパキスタンからイランに向かうバスが止まり、
イランへ向かう予定だったYくんは予定を変更してこっちに来たと言う。
動きは主に南部で活発で、北部はあまり変わりないのだという。
巻き込まれないでよかった。

4人とも同じ宿だったので、いったん宿に帰り、みんなで夕食に行った。
もちろん、中華。
1人で食べるときは1品しか食べられないが、
4人で食べに行くといろいろな種類のものを食べられるからうれしい。
ただ、どう考えても胃袋はぼくのものがずば抜けて大きいはずだ。
一人14元(210円)、割り勘なのが申し訳ない。
MさんとYくんは、明日、バスでキルギスへと向かうという。
そしてぼくとCさんはいっしょにバスでウルムチへ行くことになった。



翌日はカシュガルをうろうろした。
観光客といっしょに写真を撮るためのラクダがいた。
実は、タシュクルガンからカシュガルまでの道ばたにもなぜかラクダがいて、
そいつらを見ていたらラクダが大好きになった。
あの目つき。
口をむしゃむしゃする様子。
あくびをする様子。
ゆっくりな動き。
ラクダ、かなり、いい!
大好きになった。
見ていて飽きない。
風貌から判断する限り、むちゃくちゃ頭悪そう。
カシュガルにいたラクダも同じで、そいつを観察してCさんと大爆笑。
今度、動物園に行ったら、まっしぐらにラクダの所へ行こう!
旧市街をうろつき、むかつくガキに追い掛け回されもしたが、
ほとんどいい子だった。

宿に帰り、
「そういえばカメラのバッテリーを充電中だった」
と思い出しコンセントを見るが、ない。
くっそー、やられた。
カメラ専用のバッテリーを旅行者が盗むわけがないから、
宿の従業員か。
今更何を言っても出てくるわけがないので、泣き寝入り。
充電したまま出かけたぼくが悪い。
バッテリーはもう1つ持っているので、1週間ぐらいは持つはずだろう。
だから日本に帰るまでもつはずだ。
充電器、充電池、コンセントアダプタ、合計1万円は下らない。
しかし、盗んだ人には、1円の価値もない。
じきにどこかに捨てられるのかと思うと腹が立った。
ちなみに日本に帰った後、保険で保障してもらったため、損失はあまりなかった。
夕方になり、Cさんと夕食。
昨日と同じ中華料理屋。
うむ、うまい。
そして宿に帰ると。
2日前に別れたドイツ人のラルスがいた!!
わーい。
2回目の再会。
話するが、ラルスもエンリケ夫婦を見ていないという。
大丈夫かな、心配だ。
そろそろカシュガルに着いてもいいはずだ。



翌朝、起きてロビーに行くとラルスがいた。
ともに朝食がまだだったので、一緒に朝食を探しに出かける。
屋台街でラグ麺の具と、具なし肉まんの朝食。
うまいし安いし。
ラルスは町をうろつくと言うので、ぼくは宿に戻った。
そしてCさんとウルムチ行きのバスの切符を買いに行く。
250元(3700円)ぐらいした。
高い。
でも、ウルムチとカシュガルは1500km離れている。
直線距離で、下関から札幌までぐらい。
そう考えると、高くはないのかもしれない。

バスは夕方なので、宿に戻って荷物の整理をしよう。
宿のロビーで「Ikuo!」と呼ばれる。
あ!!
エンリケ夫婦だ!
ラルスもいる!!
タシュクルガンから自転車で来たという。
元気そうで何よりだ。
再会を喜ぶのも束の間で、準備してバスターミナルに行かないといけない。
今度こそお別れだ。
ラルスはチベット、そしてネパールへ。
エンリケ夫婦は北京、そして東南アジアへ。
ぼくはウルムチ、そして日本へ。
「Good luck!」はあまり好きじゃないから、
「Have a good journey!」
いい旅を。



振り返れば、雄大な山
伸びる影
カシュガル到着!
バザール
旧市街
旧市街の子ども
旧市街の子ども
アバク・ホージャ廟


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